トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

データは真とする

何らかの分析を行うときは現実的にはデータの精度の問題に直面する。各種調査機関が出している市場規模のデータなども最もらしい数字が書かれているが、色々と調査方法などを聞いてみるとかなりいい加減なことも多い。そのためそれを鵜呑みにすると実態を見…

(相対的)価値創造をする管理部門

企業の部門は大雑把に管理部門と事業部門に分けられる。前者はコストセンターであり後者はプロフィットセンターであると見ることができる。会社によっては管理部門が活動ごとに事業部門に社内請求することで全て管理部門もプロフィットセンターとしている位…

マーケティングと顧客接点と企業価値

戦略の定義は経営学者の数だけ存在する、と言われているがマーケティングも同様である。人によってかなり定義が異なっており、またこれも戦略同様にビジネスでは何気なく使われているがその定義を訊かれたときには案外と答えに窮してしまう場合も多いような…

仮説思考の罠

以前に書いたエントリ「情報を浴びる」の根底にある考えについて補足的に述べる。 仮説思考はものごとを効率的に考えるための思考方法の一つであるとされている。私は仮説という言い方よりも「仮の答え」という表現の方がより感覚的にわかりやすくかつ行動に…

ロジカル家事

やや下らないエントリ。 私自身、オペレーション改善は専門ではないがその昔、トヨタ生産方式に関連した本を何冊か読んだことがあった。詳細は覚えていないが理解したこととしてトヨタ生産方式は単なる小手先の改善施策集ではなく一つの思想体系であり価値観…

セラノスの投資に関する雑感

先日、下記のnoteを見て改めてセラノスについてぼんやりと考えた。 note.mu セラノスの事件で個人的に興味を持ったのはなぜ投資家たちは投資をするに至ったのか、という点である。同社は800億円程度を調達していた模様であり、その中にはオラクルの創業者の…

戦略変数という概念

戦略変数という概念がある。これは戦略を策定するにあたって企業が意思決定しなければならない要素ということができる。意思決定できる、ということは企業にとって制御可能な要素であるという意味である。 この戦略変数は業界によってその数が異なる。例えば…

ファームでの「無敵の人」

インターネットスラングで「無敵の人」という概念がある。これは失うものが何もない状態の人で、その立場ゆえにたとえ凶悪な犯罪であっても本人がやりたいと思えばそれをあまり躊躇せずにやってしまえるような状態にあることである。 この概念を少し拡張する…

とんかつとオペレーションと演出

目黒駅から徒歩3分くらいのところに「とんかつ とんき」という名のとんかつ屋がある。創業1939年の老舗であり1967年に現在の店舗に移転したようである。 この店舗は飲食ビジネスを見る上で非常に考えさせられる。 当店は基本的にはロースかつ定食 (1,900円)…

テーマを持つ

よく言われていることではあるが私は中期的に考えるテーマをいくつか持っておくべきだと思っている。これは直接仕事につながるようなテーマはもちろん、直接はつながらなくてもプロフェッショナルキャリアに将来的には役立つかもしれないもの、さらには純粋…

率か額か?

複数の事業などの成長性を分析する際には一般的には成長率を見て比較する。そして成長率の高いビジネスほど有望と位置付けられCAPEXなどが優先的に割り振られる。これ自体は当たり前に見えるが、このようなとき案外、絶対額の視点が抜けがちである。つまり成…

作業

私は作業が得意である。もちろん今の職位では作業はすることは求められないしそのようなことに時間を使うべきではないが、アソシエイトの頃からかなり作業が得意であり、今でも特にエクセルを使った分析などは突出して速く正確にできると思っている。 そして…

可能性よりも理屈

戦略が上手くいくかどうかは本質的には将来予測であるため不確実性を伴う。結局のところ将来どうなるかはその時点になってみないと分からないのである。ただ将来が見通せないからといってももちろん運任せになってもいけない。大事なのは可能性と理屈を概念…

消去法

論理展開にはいくつかの型があるが私は消去法はビジネスの場では理屈として弱いと思っているし原則として使うべきではないと思っている。数学のような厳密な論理の場合であればある可能性が成立しなくて唯一残っている可能性が正しいというのは論理的に正し…

だらだらした会議

あるユニークな企業文化の企業があった。当社はそれなりの規模の売上高であり利益率も業界平均よりは高い企業で優良企業といっていい。このように高い実績を上げている同社であるが会議のやり方は非常に非効率的であった。議題も明確でなく、参加者も多く会…

必然的偶然

直近で「雑談が仕事に繋がることがある」「情報を無目的に浴びる時間を一定期間設けることで仮説の筋が上がる」といった話を述べた。 結局のところ根底にあるのは物事は偶然から進展することが多いという考えがある。(情報を浴びる時間に関してはやや異なる…

得意技の選択

私はこのブログで何回か「スキルなどのことは考えずに自分が情熱を感じることをやるべき」と述べてきた。これは私自身の価値観であり少なくとも自分自身はそのようにやってきたと思っている。 ただ一方で仕事をするにあたっては得意な領域があると物事がうま…

雑談から生まれる仕事

私が所属しているファームではグローバルのパートナー同士が「雑談する場」が意識的に作られている。これは根本的にはパートナーシップの価値を最大化するためであると思っている。結局のところコンサルティングというものはパートナー一人でもできる職種で…

活躍の場を提供する

ある程度の職位以上ににあるとジュニアなメンバーの成長を支える必要がある。そして成長というものは何らかのフィードバックを提供することももちろんあるが結局のところは成長の場を提供することが大事である。あくまでも成長するか否かは個々人によるもの…

情報を浴びる

一般論として問題解決は①論点を設定し②それをサブ論点に分解し③それぞれに対し仮説を出す、という流れが基本である。ただしこれには注意が必要であると思っている。具体的には解決するべき問題の難易度が問題解決を行う人間の能力と比べて難しい場合は、そも…

飲食チェーン問題

昨今はチェーンの飲食店はどちらかというとネガティブなイメージを持たれることが多いと思っている。何となく面白くない、味も悪くはないがと特別美味しいわけではない、といったイメージである。ただこれは一般論であり飲食チェーンの中にはそのチェーンの…

前提条件

ビジネスにおいては何らかの将来予想をすることが求められる場面がある。ただし当たり前ではあるが将来を予想するのは極めて難しい。そのため「将来、必ずこうなる」とは自信を持っていえることは少ないし、コンサルタントのようなアドバイザリーを生業とし…

できる・できない

コンサルティングファームにおいてマネージャーは言うまでもなくデリバリーの中核を為す。そのためワーキングレベルのクライアントメンバーとはかなり長時間を過ごすことになる。常駐型プロジェクトであれば尚更である。 このような状況になると現場のクライ…

分からないなりに考える

以前に書いたことであるが、コンサルティングファームを退職した若手がファームでの最大の学には「知的勇気」を得たことであると述べていた。これは一言でいうとわからないことをわからないなりに考えるという姿勢を得た、ということであると思っている。 私…

手裏剣式プレゼン

社外の人に対して会議をする場合、コンサルティングファームだと数十ページの資料を冊子にして人数分印刷するという方法が一般的である。(プロジェクター投影方式はまた別である。) ただこの他に一部の人たちが「手裏剣方式」と呼んているやり方もある。こ…

ポジショントーク

今の仕事ではデリバリーのチームメンバーを選定することは重要な仕事の一つである。チームメンバーの選定は本質的には社内の需給バランスで決まる。つまりオフィス全体の稼働が高い時は「売り手」市場となりアソシエイト・マネージャーの規模が通りやすく、…

コスト増の考え方

売上高40億円、営業利益率8%の外食企業があったとする。同社は年々新規出店により急拡大をしており、今後も売上高を数年で倍の80億円、営業利益率10%まで伸ばしたいという目標を持っているとする。当該企業のコストに目を向けると売上原価、店舗関連の人件費…

商社のビジネスDD

過去2回ほどPEと事業会社のビジネスの違いについて述べた。私自身、PEと事業会社の中間的な位置付けに商社のDDがあると思っている。 よく言われている通り日本の大手商社は世界的に見ても非常に独特な事業である。商社は元々は伝統的なトレーディングを中心…

続・事業会社とPEのビジネスデューデリジェンスの違い

しばらく前にプライベートエクイティ (PE)ファンドと事業会社のビジネスDDの違いについて述べた。一言でいうならば前者は利益成長の理屈を重視し後者は事業競争力を重視するということである。関連してコンサルティングファームがこれらの企業をクライアン…

世界一の仕事をする

波頭亮氏の「プロフェッショナル原論」はプロフェッショナリズムが「キュッと」凝縮された名著である。この本に書かれている内容はまさに「原論」であり、プロフェッショナルをキャリアを歩んでいる、あるいは歩もうとしている人であれば、最初は必ずしも全…