トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

職業人としての習慣

また内向きの話。 私はある程度の年数この仕事をしてきた。この職業に就いたと当初から特段転職などは考えずにかなりジュニアなうちからこのプロフェッションに対するコミットメントは多少の紆余曲折はあったにせよ根本的には高かったと思っている。そのため…

内向的性格のサバイバル術

内向きの記事。 以前に一緒のプロジェクトで働いた入社後7-8ヶ月ほどの新卒(仮にAさんと呼ぶ)からそのプロジェクト中のフィードバックを求められる機会があった。私自身、これまで多くの新卒と一緒に働いてきたがAさんはその中でも仕事ができる方と言って…

大企業の変革に関して

2020年03月09日号のJR貨物の記事を読んで改めて企業変革に関して考えさせられた。 この記事は旧国鉄時代の「お荷物」部門であり、特に20年以上にわたって慢性的な赤字であった鉄道事業を抱えていた同社が元日本郵船副社長の石田会長のリーダーシップの元で企…

予算策定プロセスに関して

多くの大企業では予算管理プロセスにかなりの工数が割かれている印象がある。大企業の典型的な策定プロセスとしては下記が挙げられる。①予算本社の主管部門(一般的には経営企画など)が各部門にガイダンスを発信②各部門内でガイダンスを基に詳細化③主管部門…

アドバンテージマトリクスに関する雑感

アドバンテージマトリクスというフレームワークがある。当該フレームワークは1981年にBCGが同社の伝説的な刊行物であるPerspectivesを通じて提唱した概念である。本エントリではこのアドバンテージマトリクスにまつわる話をし述べていきたい。 このフレーム…

「株主か顧客か、英BAの悩み」に関する雑感

最新の日経ビジネス(2020年2月10日号)の記事でBritish Airwaysの社長の退任に関する記事があり色々と考えさせられた。 当該記事は「株主か顧客か、英BAの悩み」というものである。要約すると「同社を20年近くCEOとして経営したパイロット出身のウォルシュ…

シェアハウスから見る居酒屋仮説

都内の20代の人たちの話を聞くと、住居の選択肢は「実家、一人暮らし、シェアハウス」の三択になっている印象である。いくつかの統計によるとここ10年くらいでかなりシェアハウスはの数を増えているようである。(ただしこの統計ややや心許ないものが多い。)…

一人メシをめぐる戦い

例によって外食産業に関する素人なりの考え。これから何回か外食に関連したエントリを書いていきたいと思う。 私は外食産業の一つの大きなテーマに「単身者世帯の夕食をめぐる戦い」というものがあると考えている。この戦いは外食産業のみに止まらず、コンビ…

電卓と紙とテキストエディタ

思考のための道具に関して。 私は数字が求められるプロジェクトではチームメンバーに対して電卓を手元に置いておくことを強く推奨している。もちろん手元におくことが大事なのではなく、必要に応じて電卓を実際に叩く習慣が本質ではある。例えば事業計画策定…

武器としてのエクセル

私はエクセルが好きである。大好きである。エクセルを作ることは自己表現と言っても過言ではない。どのくらい好きかというとCtrl+nを押して新規ファイルを起動してまっさらなスプレッドシートが目の前に現れる瞬間にはある種の高揚感を覚えるのである。(過…

経営コンサルティングという職業の魅力

以前にプロフェッショナルファームで働くことの外形的な魅力に関するエントリを書いたが、考えてみると外形的「でない」魅力に関しては書いていなかった。そこで本エントリでは経営コンサルティングという職業そのものの魅力に関して述べていきたい。もちろ…

スタートアップの方法論に関する雑感

スタートアップのコミュニティを見ていると、この世界には独自の手法が確立されるように感じられる。本エントリでは素人なりにこの手法に関する意見を述べていきたいと思う。なお私自身はスタートアップやVCで働いたことはないし、もちろん起業したこともな…

経営コンサルティングの専門性

新卒で経営コンサルティングファームに入社した人、あるいは新卒ではなくても3−7年程度大企業でさまざまな業務に従事した人の一定の割合の人は「専門性」を持っていないことにある種のコンプレックスのようなものを持ち、「〜の実務」といった類の本を読み始…

2019年の総括と2020年の抱負

新年なので少し2019年の振り返りと2020年の抱負を少し書きたいと思う。 昨年の初めには2019年の抱負は原則とし「これまでやってきたことを重ねる」ことであり、目標としては概ね以下の通りであった。(どれも客観的に測定できるほど厳格な目標とはしていない…

乱暴者

少し前に少し変則的なチームでプロジェクトをすることがあった。100%アサインされているメンバーは皆とても優秀であるが経験が浅かったため、私自身は普段よりも(といっても普段もかなりデリバリーの内容は細かく見る)細かくチームに対するガイダンスを出…

レビューではなく議論

コンサルティングファームでの社内会議の典型の一つにマネージャー以下のチームとパートナー(場合によってはプリンシパル)クラスとの打ち合わせがある。多くの場合は近い将来開催されるクライアントとの報告会のドラフトをチームが作成し、それに対してパ…

ボクシングが社会人には最適なスポーツである理由

仕事とは関係のない話。 私は20代まではほぼ一切運動をしてこなかったが、20代後半からふとボクシングを始めた。最近はあまりジムには行っていないが一時はそれなりに真剣に取り組んでいた時期もある。仕事をしているときも多いときは週4くらいでジムに行っ…

パートナー目線

以前にも少し昇進シリーズの中で述べたことであるが、マネージャーからプリンシパルに昇進するにあたって重要なのはプロジェクトデリバリー以外の活動にも積極的に関わることである。アナリストとアソシエイトは原則としてプロジェクトに100%アサインされ、…

プロダクト以外

エバーノートの創業者は以前に「インターネットの時代においてはいいプロダクトさえあれば自ずと広まるのでとにかくプロダクトに集中するべきだ」といった旨の発言をしていた。一方でハーバードビジネススクールのマーケティングの教授は「Good product is n…

戦略コンサルティングファームの戦略実行

昨日のエントリで戦略コンサルティングファームにも戦略は必要であるといった旨のエントリを書いた。 一方で戦略の実行になると戦略コンサルティングファーム固有の難しさが存在していると思っている。結局のところプロフェッショナルファームのパートナーが…

戦略コンサルティングファームの戦略

戦略コンサルティングファームは文字通りクライアント企業に対して戦略に関するコンサルティングをを提供するプロフェッショナルファームであるが、このようなファームもまた戦略というものは存在する。何らかの目的を達成したいのならば戦略は持つべきなの…

コンサルの専門性問題

コンサルティングファームではマネージャー以上くらいになるとある程度機能知見・業界知見を持つことが求められる。(コンサルティング業界全体が成熟しているアメリカやドイツではアソシエイトの後半には求められることが多い。)やはりジェネラルプロブレ…

ワードとパワポ

割と有名な話ではあるがAmazonではパワーポイントの使用が原則として禁止であり、ワードでのコミュニケーションが求められているとのことである。また場合によっては会議の冒頭にはワードを全員が各自読む時間も設定されるらしい。これは事前に読むことを求…

趣味の活動

コンサルティングファームの仕事は以前からも述べている通り、アカウント・ピッチ・デリバリーにまつわる仕事に分けられる。ただこれだけをやっているとどうしても遊びのようなものがなくなり精神的にダレてしまうため、意識的に仕事ではあるものの趣味的な…

コーポレートガバナンス雑感

伊藤レポートなどでも指摘されている通り日本の企業の収益性は低く資本コストを下回っていることが多い。これでは理論上は価値破壊を行なっていることになり、当然株価も上がらないことになり実際に長期的には上がっていない。 これには様々な理由があるが責…

エンゲージメントファンド雑感

特に結論のない雑記である。 近年は伊藤レポート、スチュワードシップコード、コーポレートガバナンスコードの導入により株主による投資先へのエンゲージメントというコンセプトが話題になる。私自身は当事者ではないものの経営コンサルティングに関わる身と…

創業時の幽体離脱

プライベートでも何人かの起業家と付き合いがあり、横目で彼ら・彼女らを見ていると素朴な感想として事業を立ち上げるのはとてつもなく大変なこと(そして尊いこと)だと思える。そして多くの場合、後で振り返ると創業時に思い描いていた事業と実際に軌道に…

粒度

よく言われている通り日本の多くの産業は低成長に直面している。日本全体のGDPの成長率は概ね1%未満であり、国全体としては殆ど成長していないといえるだろう。そして主要な産業も同様である。しかし産業が低成長=個別企業が低成長なのかというと必ずしもそ…

流行りものの経営コンセプト

ここ数十年はいくつもの経営コンセプトが提唱され、ある種の流行があり、やがて消えていった。〇〇経営、というようなものであれば思いつくだけでも、ROE経営、キャッシュフロー経営、EVA経営、ROIC経営、アメーバ経営、時価総額経営、企業価値経営、株主経…

コンサルティングフィー体系

伝統的には経営コンサルティングの報酬は固定であった。同じプロフェッショナルファームであっても投資銀行やローファームなどは異なる報酬体系を採っている場合もある中で伝統的に固定的であった背景を私なりに推測すると「経営コンサルティングはビジネス…