トーキョーハーバー

コンサルティングの現場から

レビューではなく議論

コンサルティングファームでの社内会議の典型の一つにマネージャー以下のチームとパートナー(場合によってはプリンシパル)クラスとの打ち合わせがある。多くの場合は近い将来開催されるクライアントとの報告会のドラフトをチームが作成し、それに対してパ…

ボクシングが社会人には最適なスポーツである理由

仕事とは関係のない話。 私は20代まではほぼ一切運動をしてこなかったが、20代後半からふとボクシングを始めた。最近はあまりジムには行っていないが一時はそれなりに真剣に取り組んでいた時期もある。仕事をしているときも多いときは週4くらいでジムに行っ…

パートナー目線

以前にも少し昇進シリーズの中で述べたことであるが、マネージャーからプリンシパルに昇進するにあたって重要なのはプロジェクトデリバリー以外の活動にも積極的に関わることである。アナリストとアソシエイトは原則としてプロジェクトに100%アサインされ、…

プロダクト以外

エバーノートの創業者は以前に「インターネットの時代においてはいいプロダクトさえあれば自ずと広まるのでとにかくプロダクトに集中するべきだ」といった旨の発言をしていた。一方でハーバードビジネススクールのマーケティングの教授は「Good product is n…

戦略コンサルティングファームの戦略実行

昨日のエントリで戦略コンサルティングファームにも戦略は必要であるといった旨のエントリを書いた。 一方で戦略の実行になると戦略コンサルティングファーム固有の難しさが存在していると思っている。結局のところプロフェッショナルファームのパートナーが…

戦略コンサルティングファームの戦略

戦略コンサルティングファームは文字通りクライアント企業に対して戦略に関するコンサルティングをを提供するプロフェッショナルファームであるが、このようなファームもまた戦略というものは存在する。何らかの目的を達成したいのならば戦略は持つべきなの…

コンサルの専門性問題

コンサルティングファームではマネージャー以上くらいになるとある程度機能知見・業界知見を持つことが求められる。(コンサルティング業界全体が成熟しているアメリカやドイツではアソシエイトの後半には求められることが多い。)やはりジェネラルプロブレ…

ワードとパワポ

割と有名な話ではあるがAmazonではパワーポイントの使用が原則として禁止であり、ワードでのコミュニケーションが求められているとのことである。また場合によっては会議の冒頭にはワードを全員が各自読む時間も設定されるらしい。これは事前に読むことを求…

趣味の活動

コンサルティングファームの仕事は以前からも述べている通り、アカウント・ピッチ・デリバリーにまつわる仕事に分けられる。ただこれだけをやっているとどうしても遊びのようなものがなくなり精神的にダレてしまうため、意識的に仕事ではあるものの趣味的な…

コーポレートガバナンス雑感

伊藤レポートなどでも指摘されている通り日本の企業の収益性は低く資本コストを下回っていることが多い。これでは理論上は価値破壊を行なっていることになり、当然株価も上がらないことになり実際に長期的には上がっていない。 これには様々な理由があるが責…

エンゲージメントファンド雑感

特に結論のない雑記である。 近年は伊藤レポート、スチュワードシップコード、コーポレートガバナンスコードの導入により株主による投資先へのエンゲージメントというコンセプトが話題になる。私自身は当事者ではないものの経営コンサルティングに関わる身と…

創業時の幽体離脱

プライベートでも何人かの起業家と付き合いがあり、横目で彼ら・彼女らを見ていると素朴な感想として事業を立ち上げるのはとてつもなく大変なこと(そして尊いこと)だと思える。そして多くの場合、後で振り返ると創業時に思い描いていた事業と実際に軌道に…

粒度

よく言われている通り日本の多くの産業は低成長に直面している。日本全体のGDPの成長率は概ね1%未満であり、国全体としては殆ど成長していないといえるだろう。そして主要な産業も同様である。しかし産業が低成長=個別企業が低成長なのかというと必ずしもそ…

流行りものの経営コンセプト

ここ数十年はいくつもの経営コンセプトが提唱され、ある種の流行があり、やがて消えていった。〇〇経営、というようなものであれば思いつくだけでも、ROE経営、キャッシュフロー経営、EVA経営、ROIC経営、アメーバ経営、時価総額経営、企業価値経営、株主経…

コンサルティングフィー体系

伝統的には経営コンサルティングの報酬は固定であった。同じプロフェッショナルファームであっても投資銀行やローファームなどは異なる報酬体系を採っている場合もある中で伝統的に固定的であった背景を私なりに推測すると「経営コンサルティングはビジネス…

逃げる

プロフェッショナルキャリアを重ねる上で最も大事なことは肉体的・精神的な健康の維持であると思っている。これこそが充実したプロフェッショナルキャリアを送る上で、そしておそらくは充実した人生を送る上では、必須のことであると言えるだろう。 ただし極…

グラゼニと将棋の駒

グラゼニという漫画がある。これは野球漫画ではあるもののタイトルが「グラウンドにはゼニが埋まっている」に由来していることからも分かる通り、テーマは野球ではなく野球選手のお金にまつわる話が中心となっている異色の漫画である。(そのため主人公も連…

企業を理解するための3つのレンズ

企業を理解するためにはその目的に応じて様々なアプローチがある。事業競争力を理解するという目的においては事業立地、デリバリーモデル、オペレーションの三つのレンズで捉えるのがいいと私は考えている。最初の二つは戦略のWhereとHowであり、後者は文字…

ジタバタ考える

昨日のエントリでスキルもある種のプロセスでありコンテンツではない、というような旨を書いた。そして経営コンサルタントとして経営課題を解きたいなら、「経営課題を解けるスキル」なるものを習得しようと考えるのではなく「経営課題」を考えるべきといっ…

プロセスとスキル

私は過去にプロセスではコンテンツを考えるべき、という旨のエントリ(「プロセスに逃げない」)を書いた。https://www.tokyo-harbor.com/entry/2019/01/31/115809 また「スキル君たち」というエントリではスキルは本質的なものではなく、過度にその習得に囚…

東京モーターショーと経営課題

先般、個人的な趣味で東京モーターショーを初めて訪れてみた。私自身は自動車にはほとんど関心がなく、また自動車業界も本業ではあまり縁がなく業界知見もほとんどないが、それでも素人なりに色々と考えさせられるイベントであったため、色々と思ったことを…

議事録に関する雑感

コンサルティングファームのジュニアワークの一つに議事録づくりがある。(そしておそらく多くの大企業でも同様であると思われる。)この議事録の作成であるが個人的には多くの場合、作業としては不要ないしは極めて非効率なものだと考えているため自分が一…

コンサルティングファームの提案活動

コンサルティングファームではマネージャー以降はプロジェクトのデリバリーだけでなく提案活動も担うようになる。私自身は「営業マン体質」ではないため提案活動は自分にとって必ずしも自然にできることではないものの、予想していたよりも大分スムーズにで…

基本的なファクトを見る

何らかの戦略を策定したり事業競争力を査定したりする際にもまずはとにかく当該企業の売上高や利益の推移や製品群別のそれを、あるいは市場規模と市場シェアといった極めて基本的な情報をファクトベースで見るべきである。もちろんここでは将来の予想値では…

半径か直径か?

円の定義とは「ある定点から一定の距離にある点の集合」となる。そのため数学者は円を定義するのに半径rを用いる。一方で工学者は決して半径は使用しない。図面などで円が用いられているときは必ず直径dが用いられる。理由は半径は概念的なものであり直接測…

カチッとわかる

クライアント企業の戦略策定の支援していたり、ビジネスデューデリジェンスで企業の競争力評価をしていたりする際、「カチッと分かった」と思える瞬間がちょくちょくある。この感覚が得られるとそのプロジェクトは間違いなく成功する。 この「カチッと分かる…

格闘技ビジネス

あまり「女子ウケ」する話ではないが、私は20代後半からボクシングを始めたこともあり総合格闘技を観る。観ると言ってもUFCと呼ばれるアメリカの総合格闘技の団体の試合をスマホで視聴する程度であり、年に一度くらい日本で実施される試合などは観ることはな…

未開の島で靴を売る

マーケティングの教科書で下記のような逸話をよく目にする。 「二人の靴のセールスマンがある未開の島に市場調査に行った。一人のセールスマンは『この島の住人は誰も靴を履いていないので靴のニーズはありません』と述べ、もう一人のセールスマンは『この島…

構造と彩り

基本的にプロジェクトのデリバリーにおいては最初の報告会では意識的にオーバーデリバー(期待値以上の成果を出すことを)するべきだと考えている。決して「終わりよければ全てよし」ではなく過程も大事なのである。結局クライアントからすると相応に高い報…

Bad old days

コンサルティングファームというと一般に激務のイメージがある。これには私はある種の憤りを覚えている。なぜならば(他のファームのことは判らないが少なくとも私が所属するファームに関しては)一般に想像されるよりもはるかに労働時間は短いためである。…